皆様こんにちは。
札幌市議会議員ふじわら広昭です。
今回は札幌市の天文台についてです。
【札幌市に天文台が設置された経緯】
札幌市の中島公園にあります天文台は1958(S33)年に同公園内で北海道大博覧会が開催された時に、当時の雪印乳業のパビリオンとして整備され、同大博覧会期間中から市内の天文台愛好家の皆様が雪印乳業や関係機関に働きかけその後、札幌市に寄贈されました。
1984(S59)年、雪印乳業より口径20㎝のF12屈折望遠鏡が新たに寄贈され現在に至っています。
【中島公園内にある天文台の課題】
- 同公園内の天文台は都心にあることや地下鉄による利便性は高いですが、都心にあるため周辺のネオン等で明るくて星を観察するには必ずしも良好な場所とは言えない状況であること。
- 築後66年経過し施設、設備とも老朽化していること。
- 天文台は小高い丘の上に立地しており、内部の天体望遠鏡の覗き口は踏み台を使用しないと車椅子の方や子ども、大人も観察できないこと。
【星の明るさ】
- 天文学では恒星の明るさを等星及び等級という尺度を用いて表現しています。例えば1等星では「おおいぬ座」のシリウス。2等星では「こぐま座」の北極星などがあります。
- 天文学は歴史のある学問で紀元前150年頃、古代ギリシャの天文学者ヒッパルコスは年間を通した観測で全天で測定可能な最も明るく見える星を約10個程度選びこれを1等星、肉眼でどうにか見える明るさの星を6等星とし、その間を肉眼の感覚に応じて2等星から5等星に分割しました。
- 16世紀に望遠鏡が発明されると6等星よりも暗い星が観測できるようになりました。
- 19世紀にイギリスの天文学者ポグソンは星の明るさを定量的に測定し1等星と6等星の明るさの差がおよそ100倍あるとの結果を得て、等級が1等級変わると明るさは2.512倍変化することを再定義しました。
- このことにより星の明るさが1等の2.5倍であれば0等星、さらに2.5倍であればマイナス1等星と定義することが可能になりました。
- 「等星」は星の明るさを6段階に分けた時に使用されます。また「等級」はそれぞれの星ごとに明るさを表す単位として使用されています。
- 中島公園の天文台では気象条件等にもよりますが3等星まで観察可能と言われています。
- 肉眼では個人差もありますが6等星まで見ることが可能と言われています。
- 北海道足寄郡陸別町は星空が有名ですが、ここでは6等星の見える確率が高いと言われています。
- 1等星と6等星では明るさが約100倍あると言われています。
【今後、札幌市の天文台に求められる課題】
- 郊外に移転し1等星以外の星も見られるようにすること。
- 天文台のバリアフリーと天体望遠鏡をクーデ型(接眼レンズが極軸にあるため、どの方向に向けても覗く位置は変わらない)にすること。
- 学校の授業で複数のクラスで行っても、グループごとに一人ひとりが観察できる時間を確保するため小型天体望遠鏡を最低6台程度設置すること。
- 大型天体望遠鏡は将来性を考慮しレンズの口径を100㎝以上にし星や星座の位置をコンピューター制御にすること。
- 天文台の小型望遠鏡の施設は屋根を付けスライド方式にすること。
- 以上の新たな天文台建設の資金及び運営と維持管理は民間に委ねること。
- 新たな天文台の整備地は現在の中島公園では都市公園法で敷地面積・高さ制限等があるので郊外にすること。
- 着工までには整備地や施設規模及び天体望遠の選定・設計に10年は必要であること。
私は札幌市民にも星や星座に興味・関心のある方は多く、かなりの潜在ニーズがあると思います。
また、新たな天文台では宇宙の成り立ちを通じ、教育・生涯学習・観光・文化・農業等とまちづくりを連携し、夢のあるワクワクした札幌市の発展に向け全力を尽くす決意です。
※2024年11月19日内容を一部修正しました。