2023年7月20日木曜日

北海道新幹線の課題

 皆様こんにちは、札幌市議会議員、ふじわら広昭です。

 今回は7月13日の札幌市内の北海道新幹線延伸工事現場の視察報告です。
JR新函館北斗~JR札幌駅間は、約211㎞、うちトンネル区間約170㎞(80%)の工事が24時間、2交替制で行われています。
 そのうち、札幌市内の同工事距離は約17㎞、4区工に分けて昨年4月から始まっています。


 視察した星置工区は今年4月から本坑掘削が始まり、現在約198mが掘削済となっています。

 札幌市内、約17㎞のトンネル工事で、約230万㎥の掘削残土(札幌ドーム約1.4杯分)が発生します。※札幌ドーム=容積約158㎥
 そのうち、約115㎥が、「ヒ素」など基準濃度以上の有害物質を含む残土(札幌ドーム約0.7杯分)が発生することを鉄道運輸機構が公表しています。


 札幌市内の工区で発生する約115万㎥の有害残土のうち、約90万㎥は手稲山口の札幌市ゴミ埋立予定地の一画が受け入れています。
 同地区は地盤が悪いので「サンドコンパクションパイル工法」を採用し、約16,000本の砂杭を深さ5~20mに打設し地盤改良を行っています。



〈今後の課題として〉

  1. 残り約15万㎥の有害残土の受け入れ地を早期に確保しなければ、今後のトンネル工事に支障をきたします。
  2. 2024年度から、法律により建設業も週40時間労働の適応となるため、トンネル工事を2交替制から3交替制にするにあたり、技術者や作業員の確保が必要となることが、問題となっています。



2023年7月5日水曜日

「新交通システム」の課題について

皆様こんにちは、札幌市議会議員ふじわら広昭です。

今回は札幌市が2030年度に本格運行を目指しています「新交通システム」の課題についてご報告させていただきます。

昨年9月札幌市は市民の皆様や議会に、路面電車の延長は収支面から困難であるとの最終報告を踏まえ、今後、水素燃料の連接バス(全長18m)と同燃料の小型バス(全長8~10m)2種類を導入した実証実験と本格導入の準備を進めています。

新たな公共交通システムイメージ案


[新交通システム及び同社会実験の概要について]

  1. まちづくりの視点~都心における公共交通、次世代の公共交通の検証
  2. 新たな運行形態~AIデマンド交通の検証(スマートフォンなどからの予約とSAPICA、Suica、クレジットカードでの支払い)
  3. 環境配慮型車輌の導入~水素燃料バス及び旧中央体育館跡に設置する水素ステーション利用と充填
  4. 既存公共交通との乗り換え~路面電車停留所への乗り入れ実験
  5. 社会実験のエリアは創成川以東(南北はJRの線路より南側~大通周辺・東側はJR苗穂駅周辺~大通8丁目周辺)にあります主な病院、サッポロファクトリー、永山記念公園、大通バスセンターなど


[今後の課題]

新交通システムの実証実験及び本格運行に向けては札幌の冬を前提に様々な課題の検討、解決を図る視点と発想が必要と言えます。

1)車輌の安全対策について

  1. 現在、国内において積雪寒冷地用の連接バスの水素燃料エンジンは開発途上であること(1両あたり最低でも約1億円以上になる可能性あり)
  2. 2024・2025年度に実証実験の予定ですが、通常のバスでも最低1年以上前に契約、発注しなければ納車は難しい現状です

2)道路などの安全対策について

  1. 道路幅は2車線以上が必要
  2. 連接バスが通過する交差点の改良

3)運行ルート(路線)の選定について

  1. 市民の日常生活に関係する、通院、買い物、公的施設、通勤などに重点を置くのか、それとも観光客に重点を置くのか、又は両方を区分したルートにするのかの判断
  2. 停留所の場所、数について
  3. 一回の運行時間は冬期間においても、始発から折り返し地点まで約20~30分程度にしなければ効果は半減する可能性が大きいと言えます

新交通システム車両概要


私はこれからも議会で同事案などの必要性と、進捗状況、課題の改善に向けて、しっかり取り組んでいく所存です。