皆様こんにちは。
札幌市議会議員 ふじわら広昭です。
今回は労務単価のスライド条項適用についてです。
〈札幌市の複数年業務委託契約〉
札幌市は、「市有施設維持管理業務委託契約に係る運用方針」に基づき、2020(R2)年10月から役務契約における労務単価のスライド制度を試行的に導入しています。
〈適用対象業務〉
①建物の清掃業務、②建物の警備業務、③建物のボイラー等設備運転・監視等業務、④電話交換業務を対象としています。
また、2025(R7)年度から指定管理者制度についても対象としています。
〈対象業務の選定理由〉
札幌市が複数年契約を締結している清掃や警備といった労働集約型の委託業務について、企業の人件費を生み出す環境を整えながら、人材を確保し、業務に従事する人の適正な労働環境を確保する観点からスライド制度を試行的に導入しています。
〈対象外の業務〉
札幌市では財政局の管財部が行う入札と各局が行う入札があります。
例えば、下水道河川局の下水処理施設、環境局の破砕工場及びプラスチック選別センターの運転業務等は、各局が行う入札にあたりますが、いずれも複数年契約(最低3年~5年)とする条件があります。
これらの業務についても、人材の確保や適正な労働環境の確保という点では、スライド制度を試行導入している業務と同様のことがいえますが、現状は対象外となっています。
〈国からの通達〉
総務省は、全国の都道府県及び政令指定都市の財政担当部長や同局長宛てに、地方公共団体が発注する契約について適切な価格転嫁の実現に向けた取組の加速を通知しています。
なお、他の省庁も同様の通知を出しています。
〈腰の重い札幌市〉
国からの通知は4年前から出ています。札幌市では、改善に向けた検討はしているものの動きが見えません。そのため、私は、現在会期中の決算特別委員会において財政局の質疑で取り上げました。
〈問題点〉
①札幌市の複数年業務委託契約の入札は、業者の人材確保等を考慮し更新年度の半年前に行っています。そのため、市が労務費等を積算する際は毎年2月に国土交通省が公表する建築保全業務労務単価を使用しているものの、毎年の最低賃金の改定に基づく労務単価のスライド条項の適用が、業務委託契約書に明記されていないことが問題点です。
②また、既存の契約書に基づく約款の「その他」項目には、「この約款に定めのない事項及びこの約款に疑義が生じた時は委託者と受託者とが協議のうえ定めるものとする」とありますが、受託者が申請しても、ほとんどが門前払いに近い状況でした。
〈札幌市は改善を約束〉
私は、10月9日の財政局の質疑で6項目を取り上げました。そのうちの1項目として、複数年の業務委託契約における労務単価のスライド条項の適用について取り上げました。
札幌市から、今年中に契約する新年度の複数年の業務委託契約において、スライド条項を適用すること、また、既存の契約のうち残余期間が1年から2年の業務委託契約についても対象にするとの答弁を引き出しました。
札幌市からは、残余期間の補償内容の基本的な考え方について、
- スライド条項で示されている1%を受託業者が負担するという国の考えを踏まえ、統一基準を11月中に作成し、各局の新年度予算(案)の要望に対応できるようにする。
- また、新年度予算で対応できない発注部局に対しては、補正予算等で対応する。
との答弁がありました。
私はこれからも、札幌市の入札制度を改善し、受注した業者の経営や、そこで働く従業員の雇用と生活を守り、市内のインフラ整備を通じた経済や雇用の発展に向け全力を尽くす所存です。