皆様こんにちは。
札幌市議会議員 ふじわら広昭です。
今回は北海道新幹線・札幌駅延伸についてです。
現在、工事が進められている新函館北斗駅~札幌駅間は全長約211㎞で、そのうちトンネル区間は約170㎞、全体の約80%がトンネルです。
トンネル区間約170㎞のうち、札幌市内のトンネル区間約17㎞は、4工区(星置・富丘・札幌・桑園)に分けて工事が進められています。
星置工区約3.3㎞と富丘工区約4.5㎞は山岳部のため「NATM工法」を採用し、札幌工区約8.4㎞は都心部のため「シールド工法」、桑園工区約350mは「開削工法」が採用されています。
〈トンネル工事の進捗状況〉
トンネル工事の進捗は、星置工区が89%、富丘工区が99%ですが、札幌工区は43%です。
現在、札幌工区のシールドマシンは、札樽道とJR函館本線が交差する地点で掘削中です。
同工区は2024年3月に西宮の沢の発進立坑から札幌方向へ掘削を開始し、今年7月1日時点で約2㎞の掘削を完了しています。
鉄道・運輸機構の情報によると、当初計画より3年程度の遅延が発生しているとしています。
〈工事遅延の理由〉
鉄道・運輸機構は、工事遅延の理由として、西宮の沢の発進立坑から先の区間で粘性土が続いており、シールドマシンのビット(刃)に粘性土が付着し、想定どおりの進捗になっていないことを挙げています。
また、2024年4月から建設業でも労働時間の規制が強化されたことも一因としています。
〈理由に疑問〉
鉄道・運輸機構は、トンネル工事を始める約10年前に地上からのボーリング調査を行い、ある程度、各トンネルの地質を把握した上で、「NATM工法」及び「シールド工法」の採用を決定しています。
シールドマシンのビット(刃)も、この地質調査に基づいて製造したものを採用していると考えられます。
また、2024年4月からの労働時間の規制強化については、全産業の中でも建設業には4年間の猶予期間が設けられていました。さらに、国会では2020年以前から労働時間の規制強化が議論されており、鉄道・運輸機構もこのことを十分承知していたにもかかわらず、工事入札前に十分な対策を講じていなかったことは、同機構の責任と言わざるを得ません。
〈今後の札幌工区の工事について〉
鉄道・運輸機構は、JR発寒中央駅から札幌方向へ約350m進んだ地点(今年12月頃の予定)で、シールドマシンのビット(刃)を交換するため、掘削を一時停止するとしています。
その先にある発寒川付近から札幌駅までは砂礫層(砂と石が混ざった地層)のため、地層に合ったビット(刃)に交換する必要があります。そのため、2~3m先の地盤に地上から約110本の管を埋設し、シールドマシン周辺の地盤をマイナス25度の液体で凍結させて地盤の崩壊を防いだ上で、マシンの内側から人力で掘削し、ビット(刃)を交換するための作業空間を設けるとしています。
この対策のため、掘削工事は少なくとも半年から1年程度停止することになると予想されます。
〈工事費と札幌市の負担について〉
2014(H26)年度から2025(R7)年度までに、札幌市が負担した新幹線札幌市エリアの建設負担金は約198億7,500万円です。
11年間で年平均約18億円を支払っています。
国土交通省は、新幹線札幌延伸の開業は2038年頃と公表しています。
今後、トンネル工事の長期化により、工事費総額は当初より約1兆2,000億円増加し、約3兆5,200億円となる見通しが示されています。
しかし、今後の工事費負担額については、札幌市をはじめ各沿線自治体に示されていません。
〈今後の工事費財源について〉
札幌市は、国土交通省や財務省などに対し、新幹線建設財源の確保による地方負担の軽減、新たな地方負担を発生させないための措置、さらに負担額の見通しを早急に示すよう要望しています。
今後は、北海道新幹線建設促進期成会などで、北海道・札幌市を含む沿線自治体や経済団体などが地方負担の軽減について協議することになっていますが、私はあまり期待できないと考えています。
私は財源確保案について、次のように考えています。
国は出国税法を改正し、2026年7月1日からこれまでの税額1,000円を3,000円に引き上げており、年間約2,000億円の税収増が見込まれています。
法改正の目的は、オーバーツーリズム対策の財源確保とされています。
私は、この財源の一部を整備新幹線の建設及び維持管理費として活用できるようにし、国の財源確保、沿線自治体の負担軽減、さらにJR各社の新幹線リース料を軽減することで、利用客の負担軽減を早急に実現すべきだと思います。
私はこれからも札幌市議会で、新幹線や交通問題に全力を尽くす所存です。