皆様こんにちは。
札幌市議会議員ふじわら広昭です。
今回は札幌市の下水道についてです。
今年1月に埼玉県八潮市で下水道管の損傷事故が発生しました。
いまだトラック運転手の安否が確認されておらず一日も早く発見されることを願っています。
今回の事故原因は現在も明らかになっていません。
国土交通省は今年3月18日、全国の自治体に口径2,000mm以上の下水道管を調査するよう通達を出しました。
【札幌市の下水道事業のあゆみ】
- 札幌市の下水道事業は1926(T15)年に雨水排除を主な目的にはじまりました。
- 1957(S32)年からは、急激な人口増加と都市の発展に伴う生活環境の悪化や河川の汚濁を背景として汚水処理に着手しました。
- 1972(S47)年の札幌冬季オリンピック開催を契機に集中的に整備を進め現在の普及率は99.8%に達しています。
【下水道管と処理施設の現状】
- 札幌市内の下水道管の総延長は8,316㎞です。
- 現在、埋設後50年を超える本管は1,411㎞(17%)あり、老朽化対策としてテレビカメラ等による管内調査で劣化状態を把握し修繕による延命化や改築を進めています。
- 10年後には埋設後50年を超える下水道本管が4,983㎞(60%)にまで急増します。
- 下水道本館と宅地内の排水設備を結ぶ取付管は約44万か所あり、これらを点検・調査し修繕しています。
- 札幌市はこれらの事業を年間約60㎞実施、内約50㎞は管更生工法上記(2)として実施しています。
- 市内には下水処理施設として水再生プラザ(下水処理場)10施設、ポンプ場16施設、スラッジセター(汚泥の焼却施設)2施設、洗浄センター2施設、合計30施設が稼働しています。
【市内の下水道管内径と延長距離】
- 30mm以下 ・・・・・・ 5,936㎞
- 500mm以下 ・・・・・・ 1,012㎞
- 700mm以下 ・・・・・・ 409㎞
- 1,000mm以下 ・・・・・・ 412㎞
- 1,500mm以下 ・・・・・・ 263㎞
- 2,000mm以下 ・・・・・・ 118㎞
- 3,000mm以下 ・・・・・・ 143㎞
- 3,000mm以上 ・・・・・・ 24㎞
【札幌市の下水道本管対策の考え方】
- 下水道管内部の調査データを基に実施した劣化予測を踏まえ、約130年の使用を目指します。
- 同管の重要度に応じた調査サイクルを定め、年間約210㎞を調査します。
- 将来的に年間約60㎞の改築が必要との見込です。
- 耐震性の高い下水道管や腐食に強い材質の管路へ改築します。
【下水道管内部の調査方法】
- 直径1,000mm未満の管はテレビカメラを遠隔操作し行っています。
- 直径1,000mm以上の管は作業員が管路内に入り目視で調査を行っています。
【市内の道路陥没件数】
- 札幌市では下水道本管の破損に伴う大規模な道路陥没は起きていませんが、取付管の部分的な不具合に起因する陥没は年間約100~200件ほど発生し、その9割は市内に約18万か所ある「コンクリート製」の取付管が原因となっています。
- この要因として、コンクリート製の取付管は「塩化ビニール製」に比べ接合部分の可動性が低く、また1981(S55)年以前に整備していることから劣化も進行し車両などの荷重がかかるズレなどの不具合が生じやすくなっています。
【今後の課題】
- 下水道管直径1,000mm未満の調査は高圧洗浄機で洗浄後、遠隔操作による自走式小型カメラで不具合のある箇所を確認していますが、国は同調査を行う作業員の資格基準を定めていません。
- このため業界が独自基準を定め資格取得者のみ高圧洗浄とテレビカメラの遠隔操作を行っていますが、市内及び全国的にも管更生作業を受注する業者の多くは業界の独自基準を取得していない現状を国や各自治体が改善する必要があります。
- 水道水は浄水場から圧力をかけて送水しているため水道管には埋設の際ほとんど高低差がありませんが、下水道管は高低差を付けて埋設し、下水道処理場近くになるほど管の口径が大きくなっています。
- 下水道を支える基礎を地質に合った対策と陥没箇所が地表から深い所でも捜索できる装置を国が民間企業と共同して開発する必要があります。
私は当面、国の通達に基づく全国及び札幌市の下水道内径2,000mm以上の実態調査の結果を注視すると共に、札幌市に対し管更生工事に参入する業者に業界の独自基準取得を応札条件にすることを全力で取組んでいきます。