2026年3月20日金曜日

母子父子寡婦福祉資金貸付について

皆様こんにちは。
札幌市議会議員 ふじわら広昭です。

今回は札幌市の《母子父子寡婦福祉資金貸付》についてです。

母子父子寡婦福祉資金は、ひとり親家庭の経済的な自立と扶養している児童の福祉増進を目的として12種類の資金を無利子または低利子で貸し付ける重要な制度です。


1.同貸付ができた経緯

  1. 1964(S39)年施行の母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき、都道府県単位で開始しました。
  2. その後、1972(S47)年に法律の改正があり、北海道から札幌市関係分が移管され現在に至っています。

2.貸付の対象者

  1. ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)
  2. 父母のいない児童または、これに準ずる児童
  3. 寡婦

3.資金の種類(12種類)

1)事業開始資金 2)事業継続資金 3)修学資金 4)技能習得資金

5)修業資金 6)就職支度資金 7)医療介護資金 8)生活資金

9)住宅資金 10)転宅資金 11)就学支度資金 12)結婚資金


4.『札幌市の利用状況』

  • 12種類ある貸付金のうち、子どもの高等学校や大学への進学にかかる費用を対象とする修学資金と就学支度資金の利用が多く、2つの貸付金は全体の9割を占めています。
  • 修学資金の内容は、例えば自宅から国公立大学に通う場合は月額71,000円で償還期間は20年以内、専修学校は5年以内となっています。
  • 就学支度資金は自宅から国公立大学に入学する場合41万円、償還期間は修学資金と同様です。
  • 貸付金全体の利用状況の推移は2021(R3)年度で48件、約2,100万円であったものが2024(R6)年度は91件、約4,000万円と件数・金額とも約1.9倍となっています。

5.札幌市が貸付金の回収業務を外部委託

  • 札幌市では、これまで貸付金の相談や回収業務は各区役所の母子婦人相談員が対応していました。
  • 同相談員は各資金の償還業務のほか、ひとり親家庭の生活全般に関する相談やDV被害女性等からの相談を併せて行っており、業務が多忙となっているため外部委託することになりました。

6.外部委託の内容と回収実績

  • 貸付金の未収債権は2024(R6)年度末時点で約4億円。
  • 外部委託の対象としたのは2003(H15)年度から2020(R2)年度までに発生した未収債権のうち、477件、約1億7,000万円です。
  • 2025(R7)年度から外部委託した回収実績は今年2月末時点で約5,300万円、回収率は約31.2%です。

7.外部委託に伴うトラブル

  1. 昨年3月の札幌市議会予算審議の際、私は委託業務が始まる前に札幌市が札幌市長名で事前通知を行い債権者に周知し、詐欺の懸念などを防ぐ対応を求めましたが札幌市は実行しませんでした。
  2. その結果、債務者に外部委託業者の弁護士事務所から受託通知と督促状が送られ、高圧的な態度で一括納付を求められる等、苦情が多数発生しました。


8.納付方法の問題と改善

  • 債権回収を適切に行う以前に、札幌市の貸付金の管理システムが古く、口座振替やコンビニからの支払いに対応できず、金融機関での納付書払いしかできない状況となっています。
  • 旭川市では口座振替を導入しており2023(R5)年度の償還率は87.9%、過年度で13.3%に対し札幌市は78.7%、過年度が7.8%、にとどまっています。


今年3月18日の札幌市議会予算審議において、私は貸付金を担当している「子ども未来局」に対し、問題点を指摘し反省と改善を正しました。

札幌市は一連の対応に陳謝するとともに、市民の利便性向上と事務効率を高めるため2027(R9)年12月までに新たな貸付金の管理システムを導入し、口座振替等の対応ができるようシステム導入に係る全体の費用を精査したい旨の答弁がありました。

私は、今後も貸付制度がひとり親家庭の福祉の観点に真に寄り添った対応が向上するよう、議会で注視していく所存です。