皆様こんにちは、札幌市議会議員ふじわら広昭です。
今回は札幌市が2030年度に本格運行を目指しています「新交通システム」の課題についてご報告させていただきます。
昨年9月札幌市は市民の皆様や議会に、路面電車の延長は収支面から困難であるとの最終報告を踏まえ、今後、水素燃料の連接バス(全長18m)と同燃料の小型バス(全長8~10m)2種類を導入した実証実験と本格導入の準備を進めています。
[新交通システム及び同社会実験の概要について]
- まちづくりの視点~都心における公共交通、次世代の公共交通の検証
- 新たな運行形態~AIデマンド交通の検証(スマートフォンなどからの予約とSAPICA、Suica、クレジットカードでの支払い)
- 環境配慮型車輌の導入~水素燃料バス及び旧中央体育館跡に設置する水素ステーション利用と充填
- 既存公共交通との乗り換え~路面電車停留所への乗り入れ実験
- 社会実験のエリアは創成川以東(南北はJRの線路より南側~大通周辺・東側はJR苗穂駅周辺~大通8丁目周辺)にあります主な病院、サッポロファクトリー、永山記念公園、大通バスセンターなど
[今後の課題]
新交通システムの実証実験及び本格運行に向けては札幌の冬を前提に様々な課題の検討、解決を図る視点と発想が必要と言えます。
1)車輌の安全対策について
- 現在、国内において積雪寒冷地用の連接バスの水素燃料エンジンは開発途上であること(1両あたり最低でも約1億円以上になる可能性あり)
- 2024・2025年度に実証実験の予定ですが、通常のバスでも最低1年以上前に契約、発注しなければ納車は難しい現状です
2)道路などの安全対策について
- 道路幅は2車線以上が必要
- 連接バスが通過する交差点の改良
3)運行ルート(路線)の選定について
- 市民の日常生活に関係する、通院、買い物、公的施設、通勤などに重点を置くのか、それとも観光客に重点を置くのか、又は両方を区分したルートにするのかの判断
- 停留所の場所、数について
- 一回の運行時間は冬期間においても、始発から折り返し地点まで約20~30分程度にしなければ効果は半減する可能性が大きいと言えます
私はこれからも議会で同事案などの必要性と、進捗状況、課題の改善に向けて、しっかり取り組んでいく所存です。