2025年2月20日木曜日

今後のスポーツ施設のあり方について

皆様こんにちは。
札幌市議会議員ふじわら広昭です。

今回は【(仮称)新月寒体育館】についてです。

札幌市は2030年頃までに同体育館を札幌ドーム・大和ハウスプレミストドーム周辺(敷地内)に整備する方向で検討を進めています。

今後の検討項目について

  1. 2025年度~札幌市都市計画マスタープランの見直し。
  2. 2026年度~札幌市土地利用計画の見直し。
  3. 2027年度~札幌市用途地域の見直し。


政府の方針等について

政府は2016年、「日本再興戦略2016」で「官民戦略プロジェクト10」の施策の一つとして、スポーツの成長産業化の具体策にスタジアム・アリーナ改革を位置づけました。

また、2016年6月21日の閣議決定では全国のスタジアム・アリーナを2017年から2025年までに新たに20拠点を実現することを位置づけました。

こうした中で2016年11月にスポーツ庁が「スタジアム・アリーナ改革指針」を公表しました。

さらに2019年6月21日、閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」では、スポーツ資源を活用した地域経済の活性化を位置づけました。


「札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点基本構想」とは

同構想が2022年1月に策定された背景

  1. 政府が人口減少や少子高齢化に伴う国内の活力低減等、多方面にわたる社会問題を解決する方策のひとつとして「スポーツ」を通じた活性化方策が提示されたことを踏まえてつくられています。
  2. 札幌市は国が挙げる課題解決に向け、同構想にて「高次機能交流拠点」に位置づけられている札幌ドーム周辺において、スポーツや集客交流産業の振興などに関わる拠点及び札幌の魅力と活力の向上を先導することを目指した「スポーツ交流拠点」の整備を検討することにしました。

「高次機能交流拠点」とは

産業や観光、文化芸術、スポーツなど国際的・広域的な広がりをもって利用され、札幌の魅力と活力の向上を先導する高次な都市機能が集積する拠点として位置づけられた下記の12カ所です。

①円山動物園周辺
②藻岩山麓周辺
③北海道大学周辺
④苗穂
⑤東雁来
⑥大谷地流通業務団地
⑦モエレ沼公園・サッポロさとらんど周辺
⑧東札幌
⑨札幌テクノパーク
⑩札幌ドーム周辺
⑪定山渓
⑫芸術の森周辺


「今後の課題」について

  1. 札幌市は札幌ドーム周辺を「風致地区」に位置づけて建物の高さを15m以下と制限しています。
  2. 札幌市は札幌ドーム建設時に「緑の審議会」を開催し、いくつかの条件(建物が自然に溶け込むようなデザインや既存樹木を出来る限り生かしつつ敷地の50%を超える植栽による修景等)により高さを68mまで緩和しています。
  3. 最近の例として、豊平区の共進会場跡地に移転新築する新展示場「アクセスさっぽろ」は風致地区ではありませんが、高さ制限15m以内の建物を建てることを決定しています。
  4. 現在、新月寒体育館に対する民間企業からの提案の一例はPFI方式で約400億円の建設費を企業側が確保し札幌市が20~30年間で半額の200億円を支払う内容が示されています。
  5. 札幌市は、新月寒体育館の建設費用を400億円と仮定すると、現在の建設資材の高騰及び人件費のアップ等で1.5倍増になる可能性を示唆しています。
  6. また札幌市は今後の人口減少に伴う市有施設のあり方を検討しており、各区にある体育館や地区図書館等がどのようになるのか明示していません。
  7. 現在の月寒体育館敷地での建替えができないのか、また同跡地利活用も併せて検討する必要があるといえます。
  8. 敬老パス問題のように、近い将来の人口減に伴う税収減による財政問題を考える時にはその必要性や規模等についても検討する必要があります。


私はこれからも以上の課題等をしっかり分析し対応していきたいと考えています。


2025年2月5日水曜日

さっぽろ雪まつりの変遷と今後の課題

皆様こんにちは。
札幌市議会議員ふじわら広昭です。

今回はさっぽろ雪まつりについてです。
さっぽろ雪まつりは1950(S25)年2月18日、市内の中高校生たちが大通公園西7丁目に作った小さな雪像6基からはじまりました。
開催日は当日のみでしたが市民等約5万人集まり、小雪像を囲んでのスクエアダンスや映画会が開催されました。

その後の特徴的な取り組みは以下の通りです。


第4回1953(S28)年には高さ15mの大雪像が初めて作られました。
第6回1955(S30)年に自衛隊が初めて雪像作りに参加しました。
第16回1965(S40)年には「真駒内」を第2会場として設置しました。
第23回1972(S47)年から観客数を正確に計測しはじめました。
第25回1974(S49)年には第1回国際雪像コンクールが開催されました。
第34回1983(S58)年には「すすきの」を第3会場として設置しました。
第38回1987(S62)年には大・中雪像の市民制作体験が実施されました。
第41回1990(H2)年には「中島公園」を第4会場として設置しました。
第44回1993(H5)年には「中島公園会場」を廃止し大通西12丁目を拡大しました。
第51回2000(H12)年には運営補助のボランティアが初参加しました。
第53回2002(H14)年には大雪像制作に市民ボランティアが初参加しました。
第56回2005(H17)年には同年で真駒内会場が閉鎖しました。
第57回2006(H18)年には「さとらんど」を第2会場として試行開催しました。
第58回2007(H19)年には歴史的な雪不足に悩まされました。
第60回2009(H21)年には「つどーむ」を第2会場として設置しました。
第69回2013(H25)年には「大通会場」でプロジェクションマッピングを2箇所で実施しました。
第70回2019(H31)年には観光客数が約273万7千人となりました。
第71回2020(R2)年には雪像制作期間中の記録的な少雪により、倶知安・京極などから雪を輸送しました。
第○回2021(R3)年は新型コロナウィルスの影響により、開催回数をカウントしないで開催しました。主な内容は雪まつり歴史動画配信及び雪像制作過程動画配信等が実施されました。
第73回2023(R5)年には基本的な感染症対策を徹底しながら3年ぶりの会場開催になりました。
第74回2024(R6)年には大通会場では飲食を解禁(店舗数の制限あり)すると共に国際雪像コンクールを再開しました。また、「つどーむ会場」を4年ぶりに再開しました。
第75回2025(R7)年は2月4日から同月11日まで開催中です。少雪と暖冬により雪像づくりが大変でした。


【今後の課題】

  1. 地球温暖化等により雪まつり期間及び雪像を含め雪まつり全体の検討が必要といえます。
  2. 1972年の札幌冬季オリンピックで使用された美香保体育館(冬季はスケートリンクとして使用)が老朽化し「つどーむ」の敷地内に移転新築計画が進められているので2会場の確保についての検討が必要といえます。
  3. ちなみに昨年度のさっぽろ雪まつりで大通公園に郊外から運んだ雪は10tダンプで1,162台。つどーむ会場には1,072台分が運ばれています。

私は今後のさっぽろ雪まつりが札幌市民をはじめ国内外の人達にとって、もっと身近なであり色々な体験型イベント等を検討し、地球温暖化にも配慮した内容等を早く議論すべきと思います。